漫画から学んだもの・岡崎京子
ビートルズにしてはとても激しい曲「Helter Skelter 」。
イギリスでは、らせん状になっている「すべり台」のことをそう呼びますが、「慌てふためいた」という意味もあります。
ザ・フーのピート・タウンゼントの言葉に触発され、ポールがかいたこの曲は、ヘビーメタル系。
モトリー・クルーやエアロスミスなどの多くのヘビメタ系バンドがカバーしています。
アメリカのカルト指導者で犯罪者のチャールズ・マンソンは、この曲にインスパイアされたことで、殺人を犯したと言っている、
ちょっといわくつきの珍しい曲です。
「ヘルタースケルター」と言えば、2012年に実写映画化された岡崎京子の漫画でもあります。
これ、すごいストーリーです。
気になる方はwikiへどうぞ。ヘルタースケルター (漫画) - Wikipedia
かなりネタバレなストーリーが掲載されています。
私自身は岡崎京子をオンタイムで読んだ世代より少し上なのですが、
彼女の作品は遅れて、読んでいます。
漫画よりも小説派でしたが、彼女の作品なので、漫画でもやはり読んでいるのです。
私が一番好き…というか、印象に残っている作品は
「リバーズ・エッジ」です。
「ヘルタースケルター」より前の話で、「こずえ」という登場人物は二つの物語に登場しています。
この二つは分けては考えられない作品で、だとすると、岡崎京子の主張は
夢も希望もないのかと思えます。
ご存知の方も多いと思いますが、作者の岡崎京子は、96年にひき逃げ事故に遭い、かなりの重態になり、執筆は現在も止まっています。徐々に回復されているようですが、今もリハビリ中とのことです。
しかし「リバーズ・エッジ」にはかすかな希望があったように感じます。
一見普通の高校生たち、しかしその底には、痛くて重いものが存在している。
無気力、どろどろとした性、絶望、そして死が間近をうろうろとしているけれども、
それでも、高校生たちは「生きていく」という希望。
もう20年も前の作品なのですが、
ここにないのはスマホだけ?
というくらい、今の高校生が読んでも解る内容だと思います。
高校生の抱える閉塞感は不変的なのでしょうか?
この漫画本を自分の子供に読ませたいか?
と問われたらどうでしょう?
特に娘に関しては、わざわざすすめることはしないでしょうね。
しかしここから学ぶものってたくさんあるように思うのです。
いくら少女漫画特有の絵だろうと、リアルな絵が並んでいます。
小説であれば、自分の空想の中で、きれいにディフォルメしたビジュアルに変えることが可能ですが、
漫画はいやおうなしに絵が出てきますから、逃れられません。
汚い世界も見せられてしまいます。
親から教えてもらえなかったもの(もしかすると、親は知らなかったこともあるかもしれない)、
友達との間でも語ることのなかったもの、
心の奥深い部分。人間のイヤな部分。見たくない部分。
そういうものを学べた気がします。
現実で出会う前に、漫画で出会ったことで免疫がついたと思います。
漫画って私にとってはそういう役割を担ってくれたかなと思います。
世田谷文学館にて「岡崎京子展」が2015年1月24日が3月31日まで開催されるようです。
それに先行し「安野モヨコ、桜沢エリカ、しまおまほが岡崎作品について語る」プレ・トーク・イベントが同館にて11月1日に開催されます。
プレ・トーク・イベントは抽選申し込み制。10月18日までEメールでの受付です。
近くに住んでいて興味のある方はぜひ(上記のイベント一覧から詳細を見てください)。
上記2作品と、「Pink」は最低でも読んででかけないと、面白くないですよ。きっと。
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リバーズ・エッジは現在、新品はアマゾンでは品切れのようです。
楽天には在庫がありましたので、テキストリンク貼っておきます↓
今日も読んでくださってありがとうございました。
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